AAR/デンマーク年代記
巻十九 諸蕃伝 †

帝国の守護するカトリックは最強

軍において帝国の右に出る者はいない

資金ではカナリア王国に負けている
カイヌ伝 †

カイヌは、ラップランドの古族にして、習俗はブルタシーのスオミと同じく未だ天を祀り獣を尊ぶが、謹厳実直で略奪をしない。
酋長は姓をケミライネンと号し、ブルタシーの酋長とお互い通婚が激しい。
その国は元々男子を王としたが、一世紀前に国が乱れ、村々は互いに攻め合い国が乱れた。
そこで一人の女子を王に共立した。
名をアイドナといい、鬼道に通じ人心を治めしめた。
夫婿はブルタシーの酋長の子、スンナで、国を援け治めた。
アイドナの死んだ時、嫡子ラゴンすでに没し、その子エルゲンが女王にまた立ったが、皆服さず国大いに乱れた。
エルゲンはアイドナの庶長子ニュオーラを夫婿に迎え、ついに国が治まった。

カナリア伝 †
カナリア王国、海島の中に居り、マグレブの西に当たる。水行5日にして至る。周囲に島多し。
その王姓はティカナリエン氏、名はアズレグ。その国人、これを称してマガンとす。

妻はカンタナという。居所を斬柵三重、流水をもってめぐらし、樹棘を藩とす。
王は島々を統べ、島には小王あり。
俗、山海の神に仕え、祖霊を祀り、祭を以て酒の肴とし、争い戦いて人を殺し、殺した人をもってまさにその神に捧げんとする。
王は小心にして羨望が強く、国人に賦役を課して宮廷に財を築くも、怠惰にして白痴のためにその使い道を知らず。
北方に女王国あり。
その女王姓をアファルク、名をウルタファという。夫婿は同族のカヤである。

ウルタファはカンタナの先の夫の子である。

俗は王国と同一で、山海の神に仕え、祖霊を祀る。王と女王は互いに服さず、また争うこともしない。
ティムール伝 †
ティムール朝は東夷の騎馬族の棟梁である。
始祖ティムールは牢獄より軍を興し、ボルジギンの王朝三国を平らげカザフに覇を唱えた。
始祖の名をもって王の姓とし、国の名とする。
その気は荒く、性は残忍。一度城を落とせば、男女の別なく殺戮し、城内を焼き尽くす。
さながら古のスキタイの如きなり。
王名を可汗と号し、当代の可汗はティムールの四世の孫バーラである。

ヴァルデマ賢帝の御代に可汗の軍を破りて以来、国常に乱るる。

可汗はシーア派を信ずるが臣下皆これに従わず、各々好む宗派を信ずる。

可汗、ボルジギンの棟梁オドチギンを配下に持つ。
オドチギンはジンギスの長子ジョチの十二世の孫である。

マリ伝 †
マリ王国、マグレブの南、途中バヌ=マリン国を経た先にある。
王は姓をケイタ、名をドゥルーといい、王を称してマンサという。
王はマンサ・ムーサの九世の孫である。

マンサは武勇に優れ、妻の名をアドジャといい、謀を回らし夫を援けた。
その国、皆敬虔なムスリムであるが、礼に通じ義に厚い。
男が少なく女が多く、皆妻を三、四人持つ。