AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ

はじめに

やあみなさん、はじめまして。この度父オットーの死により後を継ぎ上ブルグンド公爵になりましたワーラムといいます。
僕はですね、生まれた時より知恵遅れといいますか、他の同年代の人に比べて若干発達が遅れていたようです。
できない子ほど可愛いというのでしょうか、父も母も僕のことを子供の中で一番慈しんで大切に育ててくれました。
おかげで今日まで僕は何不自由なく過ごすことができましたよ。
ですが、これからはそうはいかないでしょう。ハプスブルグの一族を率いていく者として頑張っていかねばと思っております。

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これが僕。slow持ちで心配されたが、そこそこの能力になりました。

シチリアの3兄弟

さて、皆さんもご存知のことと思いますが、我が母は父の尽力によりシチリアの女王となりました。
おかげで私と2人の弟は「シチリアの3兄弟」と呼ばれることもあります。そうそう、今日はこの3兄弟でシチリア王国について今後の方針を決める話し合いを行うんですよ。

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次弟カプア伯ルトベルト。

激しい気性の持ち主。考え方の違いから、僕とはよく言い争いになる。

 
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三弟グリソンス伯クリストファー。

いつも冷静。僕と次弟の間を取り持ってくれる縁の下の力持ち。

 

アールガウの宮廷にこうして兄弟が顔を揃えるのは父の死以来のことでしょうか。久しぶりの対面に、僕は普段以上に緊張していますよ。
「兄さん、シチリア王位について母さんからなにか知らせは来ているのか?」
対面早々、次弟ルトベルトが怖い形相で僕を睨んできた。
「いや、特にないかな。」
僕は強面のこの弟に内心ビクビクしながらも、なんとかそれを悟られないように平静を装って答えた。
「何だと!?母さんは一体何を考えているんだ!父さんが母さんをシチリア王に就けるべく兵を出したのも、次の王位は兄さんに譲るという条件があったからじゃないか!!」
弟の言うことはよく理解できるよ。彼は僕と違って優秀だから、父の存命時、評議会入りして父の政務を助けていたんだ。その時に、シチリア王位のために父が如何に努力していたか知っているから今のこの状況がとてもくやしいんだろうね。
「まあ、母さんには母さんの考えがあるんじゃないかな?」
僕の一言に、弟は「ドン」と強い力で机を叩いた。
「母さんの考え!?兄さんはどうしてこうもお人よしなんだよ!いいか?母さんはシチリア王位をオードブィル家に戻すためにハプスブルグ家を利用したんだよ!!」
「でも、証拠はないだろ?それはルトベルトの考え過ぎなんじゃないの?」
「考え過ぎ?だったらどうして母さんは王位に就くやいなや相続法をオードブィル家による年長者相続に変更したんだよ!?これが何よりの証拠だろ!?」
「それはそうだけど、相続法の変更は母さんの意思で行われたものなの?王になったばかりの母さんに力なんて無いに等しいし、国内諸侯の圧力に屈せざる負えなかったんじゃないかな?」
僕は母さんが大好きだ。だから、弟の母さんをまるで敵のように見る発言が許せず、ついつい反論してしまった。
僕の反論に弟はとうとう頭に血が上ってしまったようだ。
「黙れ。この知恵遅れが!!」
我を忘れた弟は言ってはいけない一言を言ってしまった。
「おい、僕が最も気にしていることをよくも言ったな。撤回しろよ。」
「何度でも言ってやるさ。この知恵遅れが!!」
この弟の態度に、さすがに僕も頭に血が上ってきたよ。

 

「兄さんたち、2人ともいい加減にしなさい!」
今まで黙って僕たちのやり取りを見ていた三弟クリストファーの一言で、僕はハッとなって冷静さを取り戻した。
「黙って聞いてれば何とも醜い言い争いだ。あの世で父さんが泣いてるよ。」
三弟の言うことは一々ごもっともだ。見ると、次弟も僕と同じことを思ったのかうつむいて三弟の話を聞いている。
「これからシチリアをどうやって獲るか、健全な話し合いをしよう。」
三弟の提案に僕と次弟はコクリとうなずいた。

 

まともな話し合いがようやく行われたものの、結局のところ現在ハプスブルグ家にはシチリア王位について首をつっこむ名分は無いためどうすることもできない。とりあえずシチリアの情勢を静観しよう、という結論に達した。
今までの僕と次弟の激しい言い争いは一体何だったのかと言われるかもしれないが、大義も名分も無いのだから仕方ない。
話し合いが終わり解散する際に、次弟が「兄さん、ひどいこと言ってすまなかった。」と謝ってきたことで僕の胸の内がスッとしたことが唯一の収穫(僕個人にとってのだが)だろうか。

僕の奥さん

僕には嫁がいる。名前はワープルガ・サブォィエ。我が上ブルグンドの隣国サヴォイアの公爵を務める領主だ。

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僕と嫁の縁談は父が決めてくれた。いわゆる政略結婚というやつだ。当然、僕と嫁は互いに愛してはいない。

 
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僕が即位して1年ほど経った1178年のこと。嫁の浮気が発覚した。
正直、これほど屈辱を感じたことはなかったよ。確かに親の決めた婚姻で愛していなかったが、僕と結婚していることは紛れもない事実だ。
示しがつかないし、浮気をされる夫として、僕は世間から嘲笑われるだろう。僕はサブォイアにいる嫁に浮気を責める手紙を送った。
しばらくして嫁より返事が来た。
「悔しいのなら浮気をされないような、私を夢中にさせる男になりなさい。」
嫁は完全に開き直っていた。僕は怒り狂ったが、どうすることもできない。
嫁に対する憎しみだけが日に日に増していった。

 
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しばらくして嫁は妊娠したようだが、当然僕の子ではないだろう。
だが、浮気の子が産まれたということが世間に広まれば、ますます僕の名声に傷がつくだろう。仕方ない、生まれた子は僕の子供として遇することにしたよ。
ああ、それにしても我が嫁のなんと憎たらしいことか。

シチリアの晩鐘

あれは1186年6月のことだった。僕とハプスブルグ家の運命を変える出来事が起きたのは。
事の発端は次弟ルトベルトより急使が来たことから始まった。
「兄さん、大変だ。どうも母さんが亡くなったらしい。」

 

僕はこの知らせに大きく動揺したよ。大好きだった母さんが亡くなった。そんなこと信じたくない。
第一、母さんが亡くなったのならシチリア王国より使者が来るはずだ。しかし、そのような使者は来る気配がない。

 

だが、信じざるを得ないだろう。何せ、祖父の代よりのシチリアへの策源地カプアを治める弟からの知らせなのだから。
カプア伯である弟はシチリア王の宮廷に忍ばせた数多くの間者を指揮する立場にある。
今回の弟からの知らせも、シチリア宮廷にいる間者からの報告に依るものだろう。それ故に、正確性は極めて高いのだ。

 
 

アールガウの宮廷には再び3兄弟が顔を揃えることになった。
「ルトベルトよ、母さんの死は確かなんだな?」
まだ信じたくない僕は、次弟にもう一度確かめた。
「シチリア王宮廷の間者からの報告だ。間違いはない。」
次弟は断言する。
「そうだろうなあ。ああ、母さんは亡くなったのか。」
母さんが大好きな僕にとって、もうこの世にはいないという事実が大きく堪えた。
「ああ、そうだ。母さんは死んだ。俺もとても悲しいよ。」
次弟はそう言うが、それほど悲しそうには見えない。幼き頃、大して母さんから可愛がられなかったから無理もないか。
「僕たちはどうするべきだろうか」
僕の問いに、三弟クリストファーが口を開く。
「まずはシチリア王国より母の死を伝える使者が来るのを待つべきでしょう。」
三弟の至極最もな発言に、僕と次弟は「うむ」と頷く。
「あと、今のうちからいつでも兵を動かせるように準備しておくべきでしょう。」
三弟の言葉に、僕は戦雲が空を覆い始めていることを強く感じたものさ。

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母さんの死。まあ、大往生だよね。
 

その日から一月後。シチリア王国より、母の死と新王即位を告げる使者が来た。

 

「兄さん、新たに王に即位したカラブリア公ヘルベルトは現在投獄されている身であり、彼がシチリアを治める正当性には大きな疑問符がついているぞ!」

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シチリア新王ヘルベルト。投獄されており、摂政政治である。

「今なら前シチリア王の子として、兄さんにはシチリア王位を得る大義名分がある。」
次弟ルトベルトが興奮しながら矢継ぎ早にまくしたてる。正直うっとうしい。
僕が黙ったままなのを見て、次弟は僕を急き立てるためなのか、はたまた本気なのかわからない発言をしてきた。
「兄さんが立たぬのなら、俺が代わりにシチリア王になるがそれでもいいのか?」
僕は観念し、次弟に命じる。
「ルトベルト、配下領主たちに兵を動かすよう命じよ。我がハプスブルグ家はシチリアを獲るぞ。」

 
 

1186年7月。かくして、後に「シチリアの晩鐘」と呼ばれることとなる、ハプスブルグ家によるシチリア侵略戦争の火蓋は切って落とされたのだよ。

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僕は嫁のサヴォイア公爵にも援軍を要請した。最初は渋っていたものの、「成功すれば、僕の次のシチリア王は僕と君の子だ」という僕の甘言にすっかり乗り気となり、兵を出してくれることとなった。

 

この時期、シチリア王国は大きな危機にあった。国内においては王は投獄されているは、多くの諸侯が反乱を企てているはとボロボロの状況だった。
また、国外においては近隣のアマルフイ公国が大きく勢力を伸ばしており、脅威となっていた。

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当時のシチリア情勢。

そこへ、僕たちハプスブルグ家が介入してきたのだ。まさに泣きっ面に蜂という表現が極めてよく当てはまる状態だったわけだ。

 

我が軍は南イタリア各地で行われた戦に勝利していったよ。次々と届く勝利の知らせに、僕の気持ちはどんどん舞い上がっていった。

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もっとも、上ブルグンド・サヴォイア連合軍が10000余の兵を有するのに対し、敵は2000ちょっとの兵を出すのが精一杯だったようだから勝って当たり前なんだがね。

 

かくして・・・・・

 
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1189年12月。僕はシチリア王に即位したのであった。

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シチリア王になった僕。

「シチリア王位は我が兄、ハプスブルグ本家の当主、シチリア王ワーラム陛下の直系の子孫が代々継ぐべきです。」

 

我が三弟クリストファーが熱弁を振るっていた。
時に1191年7月。僕が病に倒れ、残りの生もわずかという状況下、次のシチリア王位を巡る争いが起きていた。

 

「シチリア王位は年長者継承を基本としておる。それをむやみに変えることは許されぬ。」

 

そう主張するのは、ネウチャテル伯バルダリッチ。かつて父の代に上ブルグンド公爵位を得るために陰謀を行った、ハプスブルグ一族1の曲者である。

 

「我が子に王位を譲りたいというのが我が兄の意思なのですぞ。」

 

三弟クリストファーは食い下がるものの、その発言に勢いはない。
この先年次弟ルトベルトは兄に先立って世を去っている。次弟が生きていれば今、どれほど力になったであろうか。よくいがみ合った次弟がいかに大きな存在だったか、彼が死んだ今になって痛切に感じているのがなんとも皮肉だ。

 

「たとえ王の意思といえども、法は法。それを曲げることは許されぬぞ。第一、年長者継承の法を定めたのは王の母君ではないか。」

 

ああ、バルダリッチの野郎が不敵な笑みを浮かべながら得意気に語っている。なんとも憎らしい。だが、彼の言ってることは正論なのだ。
三弟は何も言い返せず、黙りこくることしかできないでいる。
この瞬間、シチリア王位はハプスブルグ一族の長老が代々継ぐことが決まってしまったのだ。

 

もう勝手にしろ。

 

1191年7月。ハプスブルグ家の初代シチリア王ワーラムは世を去った。享年52。
後は年長者相続により一族のエメリッチが継いだ。

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Last-modified: 2015-10-10 (土) 18:12:14