AAR/フレイヤの末裔
AAR/フレイヤの末裔/盟主ホローレク(前編)

幕間「船葬」

 彼には健康な五人の女奴隷と八人の男奴隷が伴われるべきだ
 そして我が養親を 我が父の寡婦を 嘗てブドリが娘にそうしたように そうするべきだ

 ――『古エッダ』英雄詩のうち『シグルドの短い歌』

 1057年8月、スヴィドヨッド王国。
 北河(ノールストローム)には諸族長達と、その臣民が集まっていた。

Edla1.png全なる父(オーディン)よ、我らが王の余りに若き死は、王の魂をそれ程欲せられたが故か」

Edla1.png「然にあれば、戦死者の館(ヴァルホール)にあってはハーラルに特等の席、特上の美酒を与えられ賜う事を願わん」

Edla1.png「スヴェアの若き王は心ばかりの供犠と共に虹の橋(ビフロスト)を渡り、これより御許へ赴き申す」

Edla1.png「オーディンに慈悲よあれ! 盟約に幸いあれ! 古きウプサラに栄光あれ!!」

 弔詞を唱えるのはウプサラの若き女大神官・エドラである。エーシルの国(アスガルド)に於けるハーラルの幸福をオーディンに祈る言葉は、如何にも敬虔な風だが、その裏に、誰もが白々しさを感じていた。
 いや、白々しいのは誰もが同じだった。悲しまねばならないと、誰もがわかっていた。しかし、副葬品と供物を満載した葬船を前にしても、心がついて来ないのだ。ハーラルは、彼らにとって、彼が何者となるのかも解らないうちに、余りにも無残な有様で死んでしまったのだから。
 すすり泣く声も無いまま、松明を掲げた側近達が一人一人、葬船に積まれた藁に火を点して行く。それは直ぐに大きな炎となって、高々と煙を上げ始めた。

Hrorek1.png「我が弟よ、『三王冠』など私にはどうでも良かった。お前とならば、共にこの帝国に繁栄を与えられるだろうと思っていた」

 最後の一人は、ホローレクだった。その神妙な表情の中に誰もが悲しみを見出し、それを共有する事で、葬儀の悲愴は保たれていた。
 燃える葬船を眺め、数拍を置いてから、ホローレクは呟く。できるだけ、できるだけ苦々しく。

Hrorek1.png「異端共め。私はお前に残忍な死を与えた者達を必ず根絶やしにする。盟約にまつろわぬ者達に、最も苦痛に満ちた復讐(フュード)を果たそう」

Hrorek1.png「…………そして、いつか戦死者の館(ヴァルホール)で会おう。その時にはきっと、私にカルル帝を紹介してくれよ」

 ホローレクの松明が投げ入れられる。それに呼応して、近衛団が低く、大きな声で、何度も吼える。

Hrorek1.png「切りなさい」

 もやわれていた綱が切られる。北河(ノールストローム)の流れに乗って、葬船はあっという間にバルト海(オステルセン)へ送られていった。
 青空に上る黒煙を眺める者達の胸には、喪失した王への忠義ではなく、新たな王が浮かべていた悲しみの表情ばかりが残っていた。

 * * *

 その夜、ハートゥナ城。
 設えられた寝所でホローレクの外套を脱がせながら、マエルは呆れた様に言う。

Maer1.png「……思い切った事をするものだわ、本当に」

Hrorek1.png「違うさ、慎重だからこうするんだ」

 ホローレクは凝った肩と首を鳴らしながら、困り顔で妻に答える。

Hrorek1.png「実際、『三王冠の宣言』など私にはどうでも良い。拘りもない。しかし、ハーラルだけはダメだ」

Hrorek1.png「盟主座に請求権を持つ人間に王位は与えられない。特にスヴィドヨッドとなれば、祖母様の被った『ヴァニル戦争』より酷い内乱になる」

 マエルは溜息を吐く。その理屈は解る、しかし……

Maer1.png「だったら、囚えるだけで済ませられたのに……」

 自分の目で見たわけではない。しかし、共謀者達にホローレクが自ら命じた「方法」の無残さは、とても肉親に行うものとマエルには思えなかった。

Hrorek1.png「死体が無ければ、納得しないものだよ。それに、ああすれば異端者狩りもスムーズになる」

Maer1.png「……貴方には、きっと私とは違う色の血が流れているのね」

Hrorek1.png「かもな。お前は美しい、きっと金色の血が流れている」

 そう笑って、ホローレクは肩を竦めた。
 マエルは夫の眼を見る。ホローレクは確かに笑っているのに、その瞳の奥には、葬儀で演じていたのとは異なる、秘められた悲しみがある様に見えた。
 そしてそれは、余りに奥に秘められ過ぎていて、本人にも解らないでいる様だった。

Maer1.png「恐ろしい人」

Hrorek1.png「……それはいけない。マエルは私を恐れるべきじゃない」

Hrorek1.png「恐れるべきものを誤ると、人は死んでしまう」

 そういうホローレクに、マエルは憐れな気持ちで一杯になって、母親が我が子にそうする様に、頭を撫でた。
 ホローレクは、なぜ自分がそうされているのかも解らないまま、微笑み続けていた。

盟主ホローレク(中編) 7.31.1055~

ホローレク.png 結婚式.png

 ホローレクが成人すると、待たれていたマエル姫との結婚式が盛大に行われた。
 フローニ(フレイヤの末裔)インリング(フレイの末裔)の結婚は、「ヴァニルの聖婚」として慶ばれ、更なる繁栄を帝国に齎すものと考えられた。

ポートチェスター城.png ヴァイキング!.png

 その慶びはブリテン島の略奪隊にも届き、祝いの勢いで略奪は徹底的な屠城に発展し、ウェセックスのポートチェスターなる城砦は跡形も無く破壊されたという。「瓦礫一つ残らない程の破壊があった」とさえ言われており、現在もそのポートチェスター城の跡地がどこであるのかについては議論がある。
 この虐殺の苛烈さはキリスト教徒を恐怖させると共に、ノルド達を更に熱狂させ、「大鴉の王(ホローレク)」の名を「北海最強のヴァイキング」として初代盟主・カルルの再来に擬える者さえあったという*1

ルーン.png

 これを記念して、ルーン石碑も建立されている。
 これまでフローニのルーン石碑といえば(家祖・フレイヤのものを除いて)父母の功績を残す形で碑文が刻まれていたが、この石碑はホローレク存命中にホローレク自身の結婚を祝う為に作られた、という意味で少々特殊である。それは、「ホローレクが妻・マエルの美しさを誇示する為に作らせた」とも、「マエル妃のわがままでそうなった」とも言われている。
 とはいえ、そのマエルの助けもあって、ホローレクの親政は特に大きなトラブルもなく始まっている。帝権の縮小を行わせた摂政・ソルクヴェルについても特に咎める事はせず、家令長として取り立て続けたという。

ウェールズ戦役の結末

降伏.png 降伏2.png

 それから2年程の間で、ブローンスヴィ大族長・ソルクヴェルとオイステンの軍団はクステニン2世率いる騎士団連合に完全に敗北。賠償金と引き換えに停戦となった事で、ウェールズ戦役はなんと小国・ブリソニアの勝利で一旦の決着を見る。都合、四人もの大族長を退けた英雄的勝利である。
 これによってウェールズに犇いていた騎士や傭兵達も解雇されたが、クステニンは戦禍に傷付いた民と領地の回復を待つ暇も無かった。

スコッティー.png

 戦役の緒戦を助けた兄弟国・スコットランドが北方諸島王国の聖戦を受けていたのである。シグビョルンの捕虜となっていたエグフリート王は身代金と引き換えに解放され、その陣頭で指揮を執っていた。異教徒への憎しみと騎士道心に猛るクステニンが、これを無視できるわけもなかった。

Custeninn1.png「雲霞の如き異教の群れに、我らが兄弟、ケルトの国であるアルバを蹂躙させるがままにするべきか!?」

Custeninn1.png「我らを助けに馳せ、虜囚にまでなったエグフリートに対し、我々がするべき事は聖母に祈り、奇跡を待つ事か!?」

Custeninn1.png「否!! 全き信仰によって異教を退けたこの勇気を以って、今度は彼らの為に剣を取る事ではないか!!」

Custeninn1.pngブリテン島(アルビオン)がケルトの栄光に還るその時の為に! 立てよ、ブリトン!!」

 クステニンはスコットランドへの助勢を決定した。彼の闘争心は燃え猛っていた。
 しかし、度重なる戦いで余りに消耗した国民や諸侯の中には、それに賛同できない者達もいた。

Gwilym1.png「ノルドによってどれだけの民が死に、どれだけの田畑が荒らされ、どれだけの城が崩された?」

Gwilym1.png「死者を悼み、山肌を耕し直し、防備を改める前に何の戦いがあろうものか!」

Gwilym1.png「あるとしてそれは、我らを戦わせようとする者への戦いであろうよ!!」

ギリム.png

 グローチェスター伯・グウィリムは挙兵、彼はカイ1世の女系の孫である事からブリソニア王冠に請求権を持ち、王位を争っての内乱となったのである。

 因みに、その直後にウェセックス王・エゼルリック2世はイングランド総督・ボトゥルフに降伏。ミドルセックスの割譲を承認した。
 第三次・大異教軍は局地的な敗戦こそあれ、着々とブリテン島の版図を広げて行っていたのである。

失踪

 1056年10月頃、東方ではホルムガルドがルテニア王国を撃退。ロシアの覇権争いはこの二国の睨み合いに様相を移す事となる。

 丁度その頃、ホローレクの弟であるスヴィドヨッド王・ハーラルが成人。兄同様に親政を開始していた。

ハーラル.png

 しかし、事件が起こったのはその翌年の7月頃の事……

失踪.png

 ハーラルは戯れに従者を二人だけ伴ってシグトゥナ市に繰り出し、身分を隠して市井の人々に紛れる「冒険」に出たのだという。
 そしてそのまま、次の朝が明けても、帰らなかったのである。

 当然、必死の捜索が行われた。そうして見付けられたのは、郊外の森林の中に設えられた簡素な祭壇に放置された、従者二人の死体だけだったという。
 死体は背骨側から肋骨が切断され、肺を翼の様に露出させる「血の鷲(ブロード・オルン)」と呼ばれる古式の処刑法で、その様式から反盟主の異端者達による犯行であると考えられた。

 報せを聞いたホローレクは普段の穏やかさからは考えられない程激昂し、ハーラルを発見できなければスヴィドヨッド大族長とその家族に平和喪失(アハト)刑を科すと宣言した。
 しかし、それから数ヶ月もしないうちに事態は最悪の結末を迎える。

仕置き執行.png

 ハーラルの遺体が、ユラン北方の神政領・オールボーの裏手で発見されたのである。その有様は従者達同様、「血の鷲」を施された無残なものであった。
 ホローレクは弟の有様にも構わずその亡骸を抱いて、天を仰いで慟哭し、盟約を呪う者に神罰有れと叫んだという。

 その後、懸命な犯人探しがユランとスヴィドヨッドで行われたが、幾つかの反盟主信仰者達が逮捕・処刑されたのみで、具体的な犯人は見付かっていない。
 因みに、平和喪失を命じられたスヴィドヨッド大族長・グリム2世であるが、彼は再編成中の常備軍に適した優良な戦士を領内から供出する事を条件に免刑されている。

 この事件には幾つもの不審な点がある。
 第一に、ウプランドでハーラルを攫った何者かは、なぜ遥々と三つの海峡を渡ってまでユランへ彼を運ぶ危険を冒したのか。
 第二に、ホローレクの激昂と悲嘆に反して、グリム2世の免刑が非常にあっさりと決まっている様に思われる。
 そして第三に、この事件で最も得をしたのが……

継承.png

 ハーラルの死によってスヴィドヨッド王冠を継承したホローレクなのである。

 ギュリドの「三王冠の宣言」は、盟主座・スカンジナヴィア皇帝位・デンマーク王位・ノルウェー王位・スウェーデン王位の不可分性を主張したものだったが、スヴィドヨッド(スウェーデン)王位は「アスビョルンの変」によって長らくフローニの家長から離れていた事もあり、未だ分割相続として扱われていた。そして、シグルド帝の死によってハーラルが継承した事で、この宣言と実態が矛盾するに到り、族長達の間で「三王冠の宣言」の正当性、或いは逆に「三王冠を伴わない盟主・皇帝」の正統性についての議論が(特に野心的な者達によって)持ち上がっていたのである。
 これに決着をつける最良の方法が、何と言っても「三王冠を再統合する事」であるのは明らかである。

 しかもこの後には……

ガリンダス.png ソルヴィ.png

 北方諸島王国大族長・ガリンダス2世、西ゴートランド大族長・ソルヴィ2世といった反発勢力が次々に不審死を遂げており……

王権拡大.png

 民会を容易に掌握して、戴冠から1年と経たずに王権の拡大に成功しているのである。

 確たる証拠はいかなる史料にもないが、これら事件をホローレクとその共謀者達(勿論、グリム2世を含める)による狂言だと考えるのは、歴史に陰謀の物語を求める妄想とばかりは言い切れないのではないだろうか。

オーディンの祝福

 1058年3月……

剥奪.png

 漸くでケント王・マルツィン2世が王位移譲に応じ、ホローレクにケント王位を禅譲。当然、実質の剥奪である。
 この王位はケント大族長位としてケント族長・アフ・カルトメル氏族のラグナルに下賜された(史料に間違いが無ければ、当時のラグナルは生後1年程度である)。

 その4月……

アルヴォル.png

 ホローレクとマエルの間に念願の第一子、長女・アルヴォルが生まれる。女性の継嗣という事に落胆する者もいないではなかったが、ホローレクもマエルもまだ若く、男子誕生の目は幾らでもあると考えられた事や、フローニが元々女系の氏族である事、そしてインガとギュリドという偉大な女盟主(フィルクヤ)の存在もあった歴史から特に大きな問題には到らなかった。

 しかし、それと入れ替わる様にして、7月……

マエル死.png

 突如としてデンマークに吹き荒れた結核の流行で、マエル妃は命を落とす。ホローレクとの間に恋愛感情は無かったが、彼女の助力無しで巨大化した民会(シング)を纏める事は大きな負担をホローレクに強いる事となり、その才能は非常に惜しまれた。
 そこで、次の妃を娶るまでの一時的な処置として……

バルド.png

 スヴィドヨッド総督職が創設され、ヴェルマランド族長・ラーデ氏族のバルドなる老人が、王の名代としてスヴィドヨッド民会を主宰するよう任じられている。絶対王政の萌芽も見えないこの時代、総督職とは言っても(基本的に)終身制として扱われており、この人選は彼の「老い先短さ」を見越してのものだっただろう。
 ハーラルの死によって「三王冠の宣言」の議論が落ち着いていた所にスヴィドヨッド総督が置かれた事で、族長達の間には不満を持つものもあったというが、「飽くまで臨時の措置」という事ではっきりと異を唱える者も無かった様である。

アサ.png

 新たな妃として選ばれたのは、ユート氏族のアサ。フィンランド中央部、サヴォラックスの族長・ハルステンの娘で、マエル同様に美貌に恵まれた少女であったという。
 しかし彼女は未成年で、実際の成婚までには数年を待つ必要があった。急ぎ次の妃が必要とされていたのにこの少女が選ばれた理由には、彼女もマエルと同じく美貌と交渉の才を有していると目された事に加え、一つの伝説がある。それによれば……

オーディン.png

 マエルの身罷った夜、悲しみに暮れるホローレクの寝室に一陣の風を伴って、一人の老人が現れた。
 つば広帽子で片目を隠したその老人は、ホローレクを憐れみつつも、マエルが間違いなくフレイヤの館(セスルームニル)に迎え入れられた事を伝えると、次の妃には
アサ(エーシル)を迎える様に命じた。インリング(ヴァニル)との聖婚を成したホローレクという盟主(フィルクヤ)が、アサ(エーシル)との婚姻をも果たす事で、エーシルとヴァニルの和解はより確かなものとなる、と言う。
 戸惑い誰何するホローレクに対してその老人は、南方の異教徒が大挙して北上する未来を予言し、姿を消したが、その後には50マルク(約10kg)の黄金塊が、「A(アンサズ)」の刻印(ルーン)と共に残されていたという。

 風、黄金、予言、そして「A(アンサズ)」のルーン……つまりこの老人はギュリドの前にも現れた全父神・オーディンであり、エーシルの少女・アサとの結婚は神命であるとされた。そして異教徒北上の予言は、遠からぬ未来に第二の十字軍(クルセイド)が帝国に向けられる事を示している、と考えられたのである。

Hrorek.png「黄金は不滅である! 全なる父は我らに黄金の力(グルヴェイグ)を賜れた! 即ち、我らも不滅である!!」

 ホローレクは民会で金塊を掲げてそれを皆に報せると、ノルド達の侵略熱は一層高まっていった。

ブドリ.png

 いち早くフリギア一帯を求めてバイエルン王に宣戦布告していたフィンランド大族長・アフ・ヘルイェダレン氏族のブドリに加えて……

ケルン.png

 再起したシグビョルンがケルンを求めて聖戦を布告した。

 「東フランク戦役」が本格化したのである。

 ドイツ・中フランク・バイエルンの戦乱に乗じて、ノルド達は介入し放題の状態となっていた上に、これらの戦いは何れも複雑な同盟関係によって複数の勢力が参戦し、十字軍を待たずしてキリスト教国は恒常的な消耗状態を強いられる事となった。
 この混沌の起点となったのが中フランクの分割であった事を考えると、前盟主・シグルドの決断は、彼の死後に彼の想像以上の効果を挙げたのではないだろうか*2

ラインスター.png

 ついでに、イングランド総督・ボトゥルフがマルツィン2世に残るレンスター伯領をも奪うべくアイルランドへ侵攻。1059年末に勝利した事で、「全なる父(オーディン)の剣」と仇名される様になる。これでマルツィンは全ての領土を失い、妻・オステルヒルドのいるドイツへ逃れたという。

 更に、キリスト教国を追い詰めるのはノルドだけではない……

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 美しく聡明な少年カリフを戴いてウマイヤ朝を打ち倒し、1056年に勃興した新たなるシーア派国家……アブダーラ朝モーリタニア王国が、アラゴン王国へジハードを宣言していたのである。

 そしてこちらは正教国についてではあるが……

ペルシャ.png

 1053年に開戦していたスンニ派のジハードにより、ビザンツ帝国はペルシア領内に有していた領土を喪失した。
 この戦果は帝国の規模からすれば微々たるものではあったが、ビザンツ帝国が無敗を維持できなくなっている事の証明として重大に受け止められた。

 キリスト教は四方八方から異教に圧迫され、平和らしい平和のある所といえば、最後のカロリング国家・西フランクばかりとなりつつあった。

ブロット.png

 そんな1058年の最後を、ホローレクは大犠牲祭(グレート・ブロット)で締め括った。

その時が来るまで

 1059年から1064年末までは、帝国の規模から見れば比較的細かな出来事が続く。

ハルドル.png

 ホルムガルドでは、正教の暴動を防げずに大きな失地を被り、ルテニアという強敵を南方に作ってしまった責を問われてスヴェン王が失脚。変わりにホルムガルド民会が擁立したのは、フローニ氏族のハルドルとなった。これは、氏族同盟によってスカンジナヴィア帝国の助力を得易くする、という目論見があっての事だろう。
 そしてハルドル体制下で予ねて仕掛けていたウラジミールへの聖戦が完遂され、幾許かの国力を回復している。

ブドリよ.png

 そして帝国では、フィンランド大族長・ブドリの所領の殆どがスウェーデン領内である事をホローレクが問題視し、民会の決議によって大族長位の剥奪を決定。それを不服としたブドリが挙兵した事で小規模な内乱となる。
 先述の通り、ブドリは自軍をフリギアに送っている為、碌な防備もない。この戦いには、ホローレクにとって、再編成された常駐軍の試運転であったと思われ、戦力はそれのみが投入されて翌々年の6月頃にブドリに大族長位返上を認めさせ、且つ叛乱の罪でヘルヤダル族長位も剥奪している。取り上げた所領は慣習領土の通りに封じ直された。

 1061年8月……

ケティル.png

"寛大なる"ケティル。慈悲深く争いを嫌う人物であったというが、その軍才は卓越しており、武将としても重用された。

 スヴィドヨッド総督・バルドが老死。ホローレクの婚約者・アサの成人は目前に迫っていたが、万全を期して次の総督にベルグスラーゲン大族長・ヘーデ氏族の"寛大なる"ケティルが選ばれる。
 これにバルドの長子(つまり新しい東ゴートランド大族長)・"公正なる"アルネが相続権を求めて抗議したそうだが、ホローレクはそれを黙殺したという*3

結婚2.png

 その2ヵ月後、アサが成人。前妃・マエルとは異なって美しくも謙虚な女性であったが、見込まれた社交能力は本物で、帝国民会は余裕を以っての管理が可能となった。

 1062年6月……

ケルン終戦.png

 シグビョルンのケルン聖戦が完遂。最古の大聖堂が異教の手に落ちたという報せは、何とか権威の回復を図るカソリック司教達を打ちのめした。この頃から、カソリック世界ではドイツを救う第二の十字軍を求める声が際立って大きくなってくる。
 また、この戦いのどさくさに紛れてブラバント公領はバイエルンからの独立を宣言してノルド禍から逃れようとしたが、それを幸いとばかりにフィンランド女王・クラーカがブラバント服属の為の兵員の招集を始めている。

スコット.png

 7月。スコットランドでは、内乱を抑えたクステニン2世やアイルランド諸侯の力を借りる事に成功したエグフリートがノルド軍を撃退。白紙停戦に到っている。

ズビネックwww.png

 一方で、ズビネック2世がバイエルン王・フレデリクに王位返還を求める叛乱を起こしたのもこの頃である*4

ウェセックス.png

 9月。常駐軍をブリテン島に移送した後、ホローレクはイングランド最後の抵抗勢力であるウェセックスの「回収」を求める聖戦を宣言。重ねられた大異教軍との戦いで消耗していたウェセックスに殆ど戦力は残っておらず、淡々と占領を進めて行く。

 1063年3月……

グロド.png

 早くもホローレクとアサの間に次女・グロドが生まれる。女子が二人となった事で、このままいけば再びスヴィドヨッド王冠が分割される事となる。

エイリフ.png

 9月。"勝利者"エイリフがウライド王国への聖戦を宣言。アイルランド侵略も本格化し始める。

 1064年3月……

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 "若き"シグビョルン、中フランク王国へルクセンブルクを求める聖戦を宣言。
 ノルドによって王位を獲得したエルフスウィス女王はこの宣戦が信じられず、錯乱状態になるほど取り乱したという。

 そして、1065年2月……

第二回十字軍

Callixtus1.png「心あるキリスト者よ、僅かでも信仰を保てる者は遍く耳を貸すのだ!!」

Callixtus1.png「北方の悪鬼共はカンタベリーに飽き足らず、ケルンをも我らから奪った! これはなぜ起こった!!?」

Callixtus1.png「決まっている! 主が汝らを罰する為に試練を与えられたのだ!!!!」

Callixtus1.png「見よ、ドイツの有様を! 異教堰塞の地でありながらキリスト者同士で骨肉を相食んで、彼奴らを流れ込むが侭にさせているではないか!!」

Callixtus1.png「なぜ愛し合う事を忘れる! なぜ、兄弟と争う!! 愛こそ我らの力の源であり、それを失えばどうなるかは今当に明らかであるのに!!」

Callixtus1.png「千年の時が我らから信仰を忘れさせたというのなら、今一度思い出せ! 我らは勝利を知っている!!」

Callixtus1.png「サラセン人から聖地(イェルサレム)を奪還した、あの戦いを思い出すのだ! 全てのキリスト者が背を預け合って戦った、十字軍(クルセイド)を思い出せ!」

Callixtus1.png「あの戦いこそ我らのあるべき姿ではないか! 我らは主の下に一つ、力を合わせれば異教など恐れるに足らないのだ!!」

Callixtus1.png「集え兄弟よ! ドイツから全ての異教を叩き出して、暗黒の島(スカンジナヴィア)の闇へと還すのだ!!!!」

第二回十字軍.png

 ローマ教皇・カリストゥス4世による、第二回十字軍が、呼び掛けられ、北海戦争はクライマックスを迎えるのである。


*1 そういえばこのTraitを取得するイベントって男性限定なのか、うちじゃ他にカルルしか取得してなかったり。
*2 まさかここまで収集の付かない事態になるとは思ってもいませんでしたwwww
*3 総督で子供に請求権つくとは……あんまりバラまくとトラブルの元になりますね。
*4 空気読めな過ぎるこの人wwww

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Last-modified: 2015-04-25 (土) 06:39:25