AAR/オートヴィル家をもり立て隊
シビル (前編) †
1213年 (12歳) †
プッリャ公シビル: パパの無念はあたしが晴らす!
母・ナバラ王女ブランカ: まずはしっかりお勉強なさい。
あなたは将来、王弟のベネヴェント公ウィリアム殿下を婿に迎えるのですから。
母: ビザンツに限らず、シチリアの周りは強国ぞろい。
勇気だけでは太刀打ちできないわ。
母: それに、我が家はアンコーナの征服に失敗して財政が苦しいの。
母さんとしては、お金の管理をしっかり学んでほしいわ。
シ: おっしゃあ!なら、復讐の前に復習よ!
複式簿記…。借方?貸方?ブツブツ…。
母: (このまま、素直で元気な子に育ってほしいわ…)
1216年 (15歳) †
相変わらずシビルは勉学に打ち込んでいる。
摂政は政治を代行する傍ら、シビルの教育に口を挟むこともあった。
ある時――――
摂政: 本日、姫様にはお城の屋根にこびりついた鳥のフンの掃除をしてもらいます。
シ: えー!? それって召使の仕事じゃないの?
母: 何より、危ないじゃありませんか!
摂: これも姫様の人格形成のためです。
シ: ふう、キレイになったら気分も爽快ね。
クソ鳥め、今度屋根に止まったら弓で撃ち落としてやる!
母: ぶ、無事でよかったわ…。
それにしても、あの男…!
やはり娘を亡き者にしようと企んで…。
摂: ハアハア…、ピッチリ作業着の15歳JK…。
下から見上げることで、脚もお尻もバッチリ堪能できましたわ。ハアハア…
母: ただの変態だった。
1217年 (16歳) †
シ: ようやく私も大人の仲間入りね。
一生懸命勉強したから、管理値は姉貴並になったわ。
でも、これからも勉強を続けて少しでも能力を伸ばさなきゃ。
もっと、もっと…(Depressed)
1218年 (17歳) †
シ: うーん…。
母: …どうしましょう。娘の様子がおかしいわ。
はじめは怠けグセかと思ったけど…。
これが世間で言う鬱病なのかしら?
1219年 (18歳) †
シ: 少しだけ…、起き上がってみようかな。
母: (ああ…。良かれと思って施した教育が、この子の重圧となっていたのかもしれないわ。)
シビル、ゆっくりでいいのよ。
ウィリアム殿下との正式な婚儀も、まだまだ先延ばしにしていいのだから…。
シ: うん…。
――――――――――――――――――――
宰相: 我が君、た、大変です!
神聖ローマ帝国が、シチリア王位を求めて宣戦しました!
母: これは!? 10年前に攻めてきたパヴィーア市長の息子ではありませんか。
敗戦したのに要求権は消えないのですか?
シ: お母様…、私、行かなきゃ。
母: おやめなさい、危険です!
シ: お父様はいつもおっしゃっていたわ。
ノルマン傭兵の魂を失うな、って。
うおおおおお!燃えてきたああああ!
母: 極端ねぇ…。これって躁鬱病っていうのかしら?
シ: 絶対ゲルマン人なんかに負けたりしない!(キッ
母: あっ、それはフラグ…!
シ: カイザーには、勝てなかったよ…。
母: シビルー!!
――――――――――――――――――――
HRE兵A: よっしゃあ!敵の大将をとっ捕まえたぜ!
HRE兵B: おら、兜を脱げやぁ!…あれ?こいつ女だぜ!
兵A: しかも若い!…ぐへへ。
兵B: ぐへへ。
シ: くっ…殺せ!
兵A: うはwww 「くっころ」キタコレwwww
兵B: リアルで聞いたの初めてだわwww ツイッターで拡散しなきゃ(使命感)
シ: 何なの?こいつら…
市長子息ハインリヒ: これ、お前たち。
兵A: あ、御大将。
ハ: 貴族の捕虜は丁重に扱いなさい。いずれ私の封臣となるのだから。
兵B: へーい。(兵だけにw なんつってww)
シ: お前が…ハインリヒか!?
10年前に父がお前を捕らえた時に処刑していれば…!クソが!!
…だが…、このように配慮していただき…、感謝しないこともないわ… (ぺこり)
ハ: (ぷるぷる…)
シ: ?
ハ: 萌えええぇぇぇ!! ツンデレは、拙者、大好物でござるよwwwww
シ: …ゲルマン人、わけわかんない。
1221年 (20歳) †
シ: 年が明けても私は牢屋の中。
…まだよ、まだ終わらないわ!
(声を潜めて) お母様…。
母: (Skypeで通信) シビル?無事なのね?
シ: なんとか、ね。…戦況はどう?
母: 両軍ともに兵を集結させて、そろそろ決戦が起きそうな気配ね。
シ: 1万5千対1万2千…。
これなら、うちが傭兵を雇って加勢すれば勝てそうね。
お母様、お願いしていい?
母: 分かったわ。
シ: よし、シチリア軍が北上してきた。
どうやらアブルッツォで決戦ね。
私の傭兵隊の突入もそれに合わせて…、い ま よ!
ハ: \ファンタジスタッドー/
兵A, 兵B: ヘイ! ヘイ! (兵だけにw なんつってww (2回目))
シ: ひいっ?
ハ: デュフフww シビルたん、会いに来たよ~ん。
シ: ちょ…。こ、これからお花を摘む(隠喩)ところだから…。
ハ: おっと、それは失礼した(真顔) 出直すといたしましょう。
シ: ふう…、さてと。
…あっ?
シ: タイミング…、合わなかった…。
そうだ。こういう時は、鎖マークをクリックしておけば確実に合流したまま戦えたんだ…。
シ: あたしって、ほんとバカ…。
――――――――――――――――――――
シ: 11月12日、アルマン陛下は降伏し、シチリア王位はハインリヒへと移った…。
シチリア王国は神聖ローマ帝国の版図に組み込まれてしまったわ。
シ: 私は無償で解放されたけど…。
ガックリ…。何もやる気が起きないわ… (Depressed)
ベネヴェント公ウィリアム2世: シビル卿、何を弱気になっているのです。
シ: あ、殿下…。
ウ: 「殿下」はよしてください。
私はもう王弟ではなく、一介の公爵です。
シ: そんな。
ウ: ゲルマンとの戦争で延び延びになっていましたが、ようやく落ち着いたのです。
正式に結婚しましょう。
シ: ですが…、まだ元気が出ません。
こんな弱々しい姿では、あなたと釣り合いません。
ウ: 私だって王朝が滅んで気落ちしていますよ。
しかし、弱くて何も持っていないからこそ、これから2人で強くなり築き上げていける余地も多いのではありませんか。(Kind)
シ: …おっしゃるとおりですわ。
もう、己を卑下したりはしません。
――――――――――――――――――――
シ: あなた、あらためて状況を整理してみたの。
ウ: うん。
シ: シチリア王国の領域は以前と変わっていないわ。
シ: そして、これがシチリア王ハインリヒ。
ウ: 直轄領1?
シ: そう。彼は首都のナポリを抑えているだけ。
ナポリとアブルッツォ以外はオートヴィル家の公爵が治めているわ。
前国王アルマン様もカプア公として2プロビを所有。
ウ: まあでも、これから領地没収の嵐が吹くだろう。
シ: そうかもね。
ただ…、史実でもオートヴィル朝は神聖ローマ帝国に滅ぼされたけど、史実と大きく違うのは、神聖ローマ皇帝がシチリア王を兼ねていない、ということね。
神聖ローマ皇帝とシチリア王は従兄弟の関係よ。
ウ: ふむ。シチリアで内乱が起こっても積極的には介入しないかもしれない。
付け入る隙はあるな。
シ: ちなみに、これが皇帝。
ウ: 弱冠26歳のカイザー・ラインハルトって、銀河英雄伝説かよwww
シ: ?? どうしたの、突然?
ウ: い、いや… (いかん、つい地が)
ともかく、これならオートヴィル家で結束して反乱を起こせば、すぐに王位を取り戻せそうだな。
シ: ええ。
現在、シチリア王国は分割相続制で、これを選挙君主制に変えれば戦わずに済ませられると思うんだけど…。
どうやら、バニラではそういう派閥は作れないみたいなのよ。
コンクラーベなら…。
とはいえ、状況を整理したら希望が見えてきたわ。
ウ: うん。
シ: よーし、やるわよ。
私たちの戦いは、これからだ!
ウ: それ、エターナるフラグだから、らめえぇぇぇ!
シ: 絵棚?ラメ?…あなたもゲルマン人と同じで、時々意味不明なことを言うのね…。
――中編へ続く――